18年冬期日本発航空座席は過去最高の114万席に
2019.02.25 08:00
本誌が実施した18年冬期の航空座席調査で、国際定期旅客便の1週間の提供座席数はローコストキャリア(LCC)等の新規就航・増便などに牽引される形で増加し、114万席となった。就航している空港の数も計30空港に増えた。
18年冬期の週間提供座席数は前年同期を5.9%上回る114万6036席となり、引き続き堅調な増加を示した。推移を夏期・冬期ベースで見ると、13年夏期から12期連続で過去最高の記録更新を続けている。
路線別では、トップシェアのアジア線が前年同期比8.8%増の35万73446席となり、18年夏期をも3912席上回って過去最高を記録。2位の中国線は1.2%増だが、過去最高となった18年夏期をわずかに下回った。3位の韓国線は10.9%増と2桁台の伸びを回復し、同夏期を大きく上回って過去最高となった。4位の太平洋線は1.0%減とマイナスに転じたが、5位の欧州(ノンストップ)線は11.0%増と2桁の伸びで、17年冬期から3期連続でプラスに。ハワイ線は8.2%増と好調、オセアニア線は0.2%増と微増ながら、ともに7期連続でのプラスとなっている。グアム・サイパン線はデルタ航空(DL)の路線撤退等により25.4%減と座席数は大幅に減少した。
今調査期間(18年11月5~11日)における乗り入れ航空会社は94社。17年冬期比で6社増、18年夏期比で1社増となった。18年夏期調査時点に比べ、ウズベキスタン国営航空(HY)、オーストリア航空(OS)、ヤクーツク航空(R3)の3社が運休。HYとOSは季節(冬期)運休、R3は同社国際線の一時運航停止によるもの。一方、新たに登場したのはフィジー・エアウェイズ(FJ)、中国聯合航空(KN)、VJ(べトジェットエア)、スターフライヤー(7G)の4社。FJは前身のエア・パシフィック航空以来、約9年ぶりの再就航。KNは中国東方航空(MU)グループのLCC、VJはハノイを本拠地とするLCCで、ともに定期便としては日本に初めて乗り入れた。7Gは北九州空港が本拠地で、国際線は14年3月まで釜山線を運航していたが、約4年半ぶりの国際線として台北線を中部空港と北九州空港から開設した。
LCCのシェアは25.8%
LCCは24社となり、17年冬期の21社、18年夏期の22社からさらに増加し、提供座席数は17年冬期比で19.2%増の29万5936席となった。シェアは2.9ポイント増の25.8%に達している。
なお、LCCによる地方路線の積極展開で、8月1日からはタイガーエア台湾(IT)が台北/花巻線を開設。これが花巻空港を発着する初めての国際定期路線になるとともに、夏期・冬期の調査時点としては初めて、国際定期旅客便の就航空港数が30空港に達した。
空港別で成田は微増ながら17年冬期から3期連続のプラス。羽田、関西、福岡はいずれも好調で、中部は16年冬期から4期連続のマイナスだったが、8.8%増とプラスに転じた。また、新千歳はこれまでの2桁増から1桁増に落ち着いたが、那覇は2期連続での2桁成長と好調な伸びを示した。
航空会社別のトップ10は、全日空(NH)が15年冬期から7期連続の1位ながら、エンジン点検による欠航などで伸び率はマイナスとなった。2位日本航空(JL)、3位大韓航空(KE)、4位チャイナエアライン(CI)、5位中国東方航空(MU)は18年夏期と変わらず。一方、6位には2つ順位を上げたチェジュ航空(7C)が入り、7位のキャセイパシフィック航空(CX)、8位のアシアナ航空(OZ)はそれぞれ1つずつ順位を下げた。9位の中国国際航空(CA)は変わらずだが、10位のティーウェイ航空(TW)は初めてトップ10入りを果たした。
カテゴリ#日本発航空座席調査#新着記事
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