18年夏期日本発航空座席は110万席超の規模に
2018.08.20 08:00

本誌がこのほど実施した2018年夏期の日本発航空座席調査で、国際定期旅客便の1週間当たりの提供座席数は衰え知らずの増加を続け、ついに110万席を超えた。航空会社数も90社を超え、今後もさらなる増加が見込まれている。
18年夏期の週間提供座席数は前年同期比6.5%増の113万483席となった。16年冬期から4期連続の1桁台だが、4%台、5%台だった過去3期を上回る伸び率となった。また、提供座席の実数は13年夏期から11期連続で過去最高記録を更新し続け、増加の勢いに衰えをみせない。

路線別では、トップシェアのアジア線が13.0%増と高い伸びを示し、17年冬期を2万4874席も上回って過去最高を記録した。2位の中国線は0.4%の微増ながら、座席数は過去最高記録を更新。3位の韓国線は9.8%増で、15年夏期から続いていた2桁増の記録は途切れて1桁台の伸びながら、座席数では過去最高を記録している。
4位の太平洋線は2.4%増、5位の欧州(ノンストップ)線は8.5%増と、ともに17年冬期から2期連続のプラス。ハワイ線、オセアニア線もともに6期連続のプラスと好調だが、グアム・サイパン線はデルタ航空(DL)の撤退とユナイテッド航空(UA)の運休・機材小型化などにより39.8%減と、座席数は大幅に減少した。
今調査期間(18年6月4~10日)における乗り入れ航空会社数は93社。17年夏期比で8社増、17年冬期比では5社増となり90社を超えた。17年冬期調査時以降に追加された5社は、奥凱航空(BK)、ウズベキスタン航空(HY)、コリアエクスプレスエア(KW)、オーストリア航空(OS)、ノックスクート(XW)。BKは中国・天津をベースとする航空会社で、羽田に15年12月から、関西に16年1月から乗り入れ、一時運休を経て現在は青森線も運航中だが、今年度から日本発での座席提供(航空券販売)を開始したことで調査対象に加えた。HYは例年どおり冬期運休からの運航再開。KWは北九州/襄陽(ヤンヤン)・務安(ムアン)で運航していたチャーター便を5月27日から定期化した。OSは16年9月から運休していた成田/ウィーン線を5月15日から運航再開して日本に再就航。XWはタイのローコストキャリア(LCC)で、6月1日から成田/バンコク(ドンムアン)線を開設して日本就航を果たした。
LCCの乗り入れは22社で、17年夏期の20社、17年冬期の21社と比べ会社数ではわずかな増加だが、路線・便数は引き続き大幅な伸びで、18年夏期は22.6%増の28万3059席となった。シェアは3.2ポイント増の25.0%で、ついに全提供座席数の4分の1がLCCによるものとなった。
関空の好調続き9.3%増
空港別では、成田空港が5.3%増と堅調な伸びで17年冬期に続いてのプラス。羽田の伸び率4.8%も上回っている。また、関西空港は依然好調で9.3%増と2桁に近い伸びを示している。福岡も堅調な伸びながら、中部は4期連続のマイナス。また、新千歳は引き続き2桁増、那覇も17年冬期に11年冬期から12期連続2桁増の記録が途切れたが、今期は再び2桁増となっている。
航空会社のトップ10では、全日空(NH)が15年冬期から6期連続で1位の座をキープ。2位の日本航空(JL)、3位の大韓航空(KE)、4位のチャイナエアライン(CI)までは変わらないが、5位は中国東方航空(MU)、6位にはキャセイパシフィック航空(CX)となり、この2社は17年冬期と順位が再び入れ替わった。7位のアシアナ航空(OZ)は変わらずだが、8位にはチェジュ航空(7C)がトップ10圏外から浮上。9位は中国国際航空(CA)で、10位にはエバー航空(BR)が17年夏期以来2回目のトップ10入りを果たした。
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