16年夏期日本発航空座席、ついに100万席の大台突破
2016.08.29 08:00
本誌がこのほど実施した2016年夏期日本発航空座席調査で、国際定期旅客便の1週間あたりの提供座席数はついに100万席の大台を突破した。14年夏期から80万席台が続いた後、15年冬期に初の90万席台を記録したばかりだが、その後も目を見張る伸びを続けている。
16年夏期の週間提供座席数は、前年同期比14.6%増の101万3984席に達した。夏期・冬期ベースでは13年夏期以降、7期連続で最高記録を更新している。また、伸び率は15年冬期に続いての2桁増となった。引き続き好調なインバウンド需要に呼応して、座席数の多いアジア線・中国線・韓国線がいずれも大幅な伸びを見せている。さらに、前年割れを続けていた日本人出国者数もこのところ増加に転じるなど市場は明るい兆しを見せており、今後も座席供給量のさらなる拡大が見込まれる。
今調査期間(16年6月6~12日)における乗り入れ航空会社数は84社。15年冬期時との比較で新たにラインナップに加わったのは海南航空(HU)、ウズベキスタン航空(HY)、春秋航空日本(IJ)、LOTポーランド航空(LO)、Vエア(ZV)、四川航空(3U)の6社。このうちHUは、04年9月に関西/海口線を開設して日本に乗り入れたがその後運休し、15年12月の成田/西安線開設で日本再就航を果たした形。HYは成田/タシケント線の冬期運休からの再開。一方で、ジェットアジア・エアウェイズ(JF)が唯一の成田/バンコク線を運休したことで、差し引きでは5社の増加になる。
ローコストキャリア(LCC)による路線・便数の拡大も続いている。日系のLCCであるIJが成田/武漢線等の開設で国際線への進出を果たしたほか、トランスアジア航空(GE)傘下のZVは、台湾初のLCCとして中部/台北線等を開設。これにより今夏期調査時でのLCCは19社となり、提供座席数は合計で前年同期比60.0%増の17万6073席、シェアは5.0ポイント増の17.4%にまで増えた。
路線別で座席数がトップのアジア線は、台湾線などが牽引して15年冬期に続く前年同期比2桁増で初の30万席台になるとともに、シェアもさらに伸ばした。2位の中国線は、路線別トップ3の中では最も高い26.0%増で、こちらも30万席台が視野に入ってきている。韓国線も順調に増えており、伸び率は15年夏期から3期連続の増加であるのに加え、15年冬期に続く2桁増となった。
4位の太平洋線は、伸び率が15年冬期から2期連続でのプラスだが、欧州(ノンストップ)線はテロ事件等の余波もあって3期連続のマイナス。一方でハワイ線とオセアニア線は、2期連続のプラスを維持している。
空港別で、成田は前年同期比6.5%増と堅調な伸び。日本で初めて中央・東ヨーロッパ地域と結ぶLOをはじめ、深セン航空(ZH)、ティーウェイ航空(TW)など、成田にとっての新規航空会社の就航が相次いだ。羽田も15年冬期スケジュールからのタイガーエア台湾(IT)やZVの就航などもあって、座席数は21.9%増と大幅な伸び。関西は引き続き中国線やアジア線の増便などで、中部はジェットスター・ジャパン(GK)の乗り入れなどで増加が続いている。また、福岡や新千歳も高い伸びを示したほか、需要が好調な那覇は、11年冬期から10期連続で2桁増を記録した。
航空会社別のトップ10では、全日空(NH)が15年冬期に続いて1位の座をキープ。2位の日本航空(JL)、3位の大韓航空(KE)、4位のチャイナエアライン(CI)は15年冬期と変わらず。一方、5位にはキャセイパシフィック航空(CX)が15年冬期の6位から、6位にはデルタ航空(DL)が同7位から浮上した。15年冬期で5位だった中国東方航空(MU)は7位に順位を下げたが、8位アシアナ航空(OZ)、9位ユナイテッド航空(UA)、10位の中国国際航空(CA)は順位が変わっていない。
カテゴリ#日本発航空座席調査#新着記事
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