NFTで1次産業支援と関係人口づくり SAGOJOが新規事業

2024.02.19 00:00

NFTの一例。アーティストのemi tanajiさんの作品

 地域と旅人のマッチング事業を手掛けるSAGOJO(サゴジョー)は、NFT(非代替性トークン)を使って1次産業を支援し、地域に関わる意欲あるコミュニティーを生み出すプロジェクトを始めた。名称は町が近くなるという意味の「KIN-TOWN(キントウン)」。

 第1弾は北海道中標津町と和歌山県紀の川市。全国から募集したメンバーやクリエイター、地域事業者が協力し、フードロス削減や生産者との出会いにつながるNFTを企画・制作。デジタルアートを施し、KDDIのαU(アルファユー)マーケットで販売している。

 中標津町のNFTでは、生産者の技術や未利用魚の活用方法を漁師団体「波心会」から学べる権利を付けた。魚を受け取ったり、現地での漁業体験など、特典と価格の異なる3種類(2980円、8480円、2万4980円)。

 中標津町のある道東は1次産業が盛んだが、北海道産としてくくられブランド化ができていない。魚は種類や見た目で価格が決まることも多く、未利用魚の活用が課題になっている。

 NFTは地域との関係を築くいわば許可証の位置づけ。SAGOJOのスガタカシ取締役は「その地域を好きで熱量がある人に来てもらいたいというのが地域共通の思い。入り口をどうつくるかという点で、NFTが可能性を開く」と見ている。

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