DMOの機能強化へ登録要件見直し 3~5年の経営戦略やKGI 観光庁有識者会議で方針

2024.01.29 00:00

 観光庁は観光地域づくり法人(DMO)の機能強化に向け、登録要件を見直す。有識者会議を立ち上げ、1月18日に開いた第1回会合で案を示した。5つの登録要件のうち、経営戦略と人材の部分を見直し、3~5年の観光地経営戦略の策定を求めたい考え。CMO(最高マーケティング責任者)とCFO(最高財務責任者)に求める資質も明確化する。

 機能強化に向けて観光庁が掲げた3本柱は、インバウンド地方誘客を支えるDMOの早期育成、全DMOに求める機能の明確化、世界的なDMOの形成促進。このうち、機能の明確化に最も焦点を当てた。

 現行の登録要件では、データに基づく明確なコンセプトを持った戦略(ブランディング)の策定を求めている。案では、「ブランディング」を観光地域づくりの指針となる「観光地経営戦略」に改め、戦略の期間を3~5年の中長期としたうえで、盛り込む必須内容を具体化する。

 現在は、ターゲットの設定、KPI(重要業績評価指標)の策定を求めているが、新たに観光地域のビジョン、KGI(経営目標達成指標)の設定、マーケティング戦略、関係者との役割分担を挙げた。KPIは延べ宿泊者数、旅行消費額、来訪者満足度、リピーター率が必須となっているが、この中からKGIにすることも可能とする。中長期で展開する観光地経営戦略に基づき、単年度の実行計画を策定することも条件に加えていきたい考えだ。

 DMOの組織でCMOとCFOに求める要件では、それぞれ5年以上の実務経験があることなど基準を盛り込むことを一例に掲げた。

 次回会合は3月中旬に開催される予定で、全4回で意見をまとめる。