宿泊客満足度、料金面で低下 J.D.パワー調査 コスパの悪さ響く

2023.12.11 00:00

 J.D.パワージャパンの23年ホテル宿泊客満足度調査によると、料金が値上げされたことへの評価を中心に宿泊客満足度が低下した。ただそれでも、コロナ禍前を上回る高いレベルを維持している。また、朝食に対する評価は向上したが、喫食率は停滞している。

 客室稼働率はコロナ禍前の水準に回復しつつあるが、宿泊客満足度は22年の前回調査に比べると、ミッドスケールホテル部門が30ポイント減で、料金については36ポイント減。エコノミーホテル部門では19ポイント減で、料金は27ポイント減と、両部門とも料金関係での低下幅が最も大きかった。なお、アップスケールホテル部門はコロナ禍で調査を実施していなかったため、同じ比較ができない。

 平均宿泊料金は21年に調査開始以来の最低となったが、22年は1000円前後上昇。今年はさらにミッドスケール部門で約2200円、エコノミー部門で約1400円上昇し、いずれも最高水準となった。加えて、宿泊客の増加によるとみられるスタッフの対応品質や客室清掃の質など、サービス水準の低下があり、コストパフォーマンスの悪さが満足度低下に直結していると指摘した。

 一方、アップスケール部門も含めて満足度は19年を10ポイント以上上回り、再宿泊意向もコロナ前より高いレベルを維持した。要因の1つに朝食など飲料への評価の高さがあるという。ただ、朝食の喫食率はいずれの部門も19年から5ポイント以上低下した。

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