JTB山北社長、産業と市場の両面からSDGs啓蒙へ 遅れ解消をけん引

2023.01.30 00:00

山北栄二郎社長

 JTBが事業関係者らを招き都内で開いた新年のパートナーイベントで、山北栄二郎代表取締役社長は持続可能な社会の実現に向けた観光に関する取り組みを底上げするため、観光産業と消費者の両面から啓蒙する考えを示した。イベントは3年ぶりに対面で実施。急務となっているサステナビリティーを主テーマとした。

 「交流には平和や学びの促進など5つの力があり、すべてSDGs に通じる」と言及。ただプラスのインパクトがある一方で、マイナスのインパクトもあるとし、商品やサービスの脱炭素と可視化が必要だと訴えた。

 JTBは50年までに事業活動全体でのカーボンニュートラルを目標に掲げ、観光地の環境保全や地域住民に配慮した旅行づくりに取り組んでいる。一方、JTB総合研究所の調査では、日本の消費者はSDGsを重視した旅行商品・サービスに関し、価格差があるなら選ばないとする人が51%を占め、受容度でドイツや豪州と大きな開きがある。

 山北社長は「ツーリズム産業に関わる産官学すべての組織が連携し、機運醸成に取り組むことが重要」とする。具体的な対応に迷う事業者を支援しながら共に取り組む姿勢も示した。

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