札幌観光バス、旅行版クックパッド立ち上げ 個人旅行の課題解消へ新ツール
2023.01.30 00:00
貸切バスを主たる事業としてきた札幌観光バスは、個人旅行事業に参入する足掛かりとして、旅程を作成・共有できる投稿サイト「たびポス」を立ち上げた。コロナ禍で団体旅行市場が縮小し、貸切バス事業者は厳しい経営環境にある。個人旅行に新たな収入源を求めるなか、ネックとなっている旅程づくりの支援に目を付けた。
福村泰司代表取締役社長は「いわば旅行版クックパッドで、ありそうでなかったサービス」と話す。目的地やキーワードを入力すると、他者が投稿した希望に近い旅程を画面上に表示する。たどったルートや訪問先を参考にしながら、独自の旅程をつくることができる。スポットや交通手段に応じて移動距離や所要時間も自動的に算出される。ナビタイムが技術面で協力し、同社の旅行プランニングや経路検索の機能を取り入れた。旅行後は写真や感想を加えて投稿できる。
サービスの企画に携わった高速バスマーケティング研究所の成定竜一代表取締役は、「着地型旅行における事業者と市場のミッシングリンクを埋める第一歩となる」と期待する。旅行素材を自由に組み合わせられるダイナミックパッケージの時代になったとはいえ、旅行者自身が実際にかかる移動時間やアクティビティーの提供時間を考慮して旅程を立てるのは難しい。その結果、素材が利用されず、旅行者の希望にも沿えないといった負の連鎖が生まれているとみる。
今後約1年間で月間3万セッションを目指す。札幌観光バスは蓄積された投稿データを基に旅行ニーズを把握し、個人旅行者向けのバスツアー商品づくりにつなげる。また今後、全国版の展開や訪日外国人の利用を念頭に多言語化も視野に入れている。
【あわせて読みたい】日本バス協会、通常理事会で危機的状況訴え 清水会長「回復に10~20年」 ナビタイム、貸切バスの行程表作成を支援 クラウドで新サービス
カテゴリ#トピックス#新着記事
キーワード#ダイナミックパッケージ#新着記事
キーワード#個人旅行#新着記事
キーワード#地域振興#新着記事
週刊トラベルジャーナル最新号
アクセスランキング
Ranking
-
旧戸田家がオーベルジュに 広川町、運営を民間委託
-
政府が日本版ESTA導入へ 30年までに開始 円滑な入国や不法滞在防止に
-
着地型で攻めの値付けも集客好調 下諏訪町、成長と雇用確保へ「正当な対価」
-
いまこそ知りたい世界遺産 持続可能なツーリズムのために
-
旅行業倒産、17カ月ぶりゼロ 24年は低水準 宿泊業も8月最少
-
大村湾で自転車&船の旅 4港で一緒に乗り込み可能に
-
観光のGDP寄与額、日本4位 WTTC調査 米国2兆ドルで1位維持
-
免税売上高、すでに23年超え 1~7月で過去最多に 単価上昇
-
オーバーツーリズム抑制へ新規32事業 観光庁が採択 混雑の可視化など
-
Z世代は旅行もタイパ重視 SNSで見てすぐ出発 行動は迅速