観光立国推進基本計画の改定、消費額と地方誘客を軸に議論 持続可能な旅も

2022.10.31 00:00

 観光庁の和田浩一長官は10月19日に開いた定例会見で、今後策定の検討に入る観光立国推進基本計画に関し、訪日外国人旅行消費額の増加、地方への誘客促進、持続可能な観光を議論の中心に据える考えを示した。前計画は期間が20年度末で終了し、1年以上の空白が生まれている。岸田文雄首相が新たに25年までの3カ年の計画を今年度内に策定するよう指示している。

 和田長官は「25年までにコロナ禍前の状況に戻していくのが基本的な考え方」とし、特に課題となっていた消費額と地方誘客を挙げた。ただし、消費額は速やかに5兆円超を目指すことを首相が明言しており、25年を待たずに目標達成へ施策を講じる。また、コロナ禍で世界の旅行者の意識が変化し、サステナブルな旅へ志向が高まっている状況に触れ、「どういった対応をしていくべきか、議論していく必要がある」と述べた。

 10月11日に水際対策が大幅に緩和され、旅行需要喚起策の全国旅行支援もスタートした。和田長官は「これからステージが変わる。観光の復活に向けてギアを上げて取り組んでいかないといけない」と決意を新たにした。

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