日商、観光立国基本計画改定へ意見書 早期の策定と柔軟な見直し要望

2022.02.28 00:00

 日本商工会議所は観光立国推進基本計画の改定に向けた意見書を取りまとめた。長期化するコロナ禍で危機的状況にある観光の再生が急務との認識の下、今後の政策のあり方として、地域経済を牽引し、成長と分配の好循環を促す新たな観光の確立に向けたビジョンと実現へのロードマップを示すよう求めた。25年大阪・関西万博、27年横浜国際園芸博覧会など国際的ビッグイベントが控えていることから、可能な限り早期に改定すべきとしている。

 基本計画で掲げるべき目標では、インバウンドによる外需獲得は引き続き重要だとしたうえで、旅行者数・消費額など量的価値は基本的に高い目標を維持しつつ、持続可能な観光地経営に関する指標の設定を要請。さらに、観光が地域の重要な基幹産業としての地位を確立できる目標の設定が必要だとして、地方部における観光消費額・消費単価の向上や付加価値額の向上など、質的価値の向上に着目した目標を設定すべきなどとしている。

 また、計画改定後もコロナ禍の状況など国内外の情勢を踏まえ、期間中であっても必要に応じて柔軟に計画を見直すべきと提言した。

【あわせて読みたい】コロナ後の目標どうつくる 推進基本計画改定先送りで 観光立国推進基本計画の改定、担ってよしの視点を 経団連提言 DMO活性化やSDGsも 観光立国推進基本計画、改定先送り 蒲生長官「実効性伴わない懸念」