HIS、ハウステンボス666億円で売却へ 財務基盤の強化急ぐ 1億円減資も
2022.09.05 00:00
エイチ・アイ・エス(HIS)は子会社ハウステンボスの全株式を香港の投資会社PAGに666億6000万円で売却する。株式の譲渡日は9月30日の予定。HISはコロナ禍で業績の低迷が続いており、財務基盤の強化につなげる。澤田秀雄代表取締役会長兼社長はコロナ禍に見舞われた20年当時、長期化した場合の最悪のシナリオとしてハウステンボス売却も選択肢としていた。
ハウステンボスの株式はHISが66.7%、残りを九州電力など5社が保有するが、各社はすべて手放す。売却額は計約950億円の見込み。HIS は開業以来18年間赤字が続いていたハウステンボスの経営再建に乗り出し、初年度の10年から10期連続で黒字化を達成。地域活性化や雇用創出に貢献した。今後は取引先として送客に関わる。
HISはこのほか、247億円の資本金を1億円に、174億円の資本準備金を2500万円に減資する予定で、10月27日に開催する臨時株主総会に諮る。減資した全額を繰越利益剰余金の欠損補填に充てる。21年10月期は連結最終損失500億円と赤字幅が前期から倍増し、今期に入っても中間期(22年11月~22年4月)の最終損失が同期最大の269億1100万円に。利益剰余金は44億円のマイナスとなった。
資本金を1億円とすれば税制上の中小企業になり、税負担の軽減にもつながる。旅行大手の減資は、21年のJTBと日本旅行、今年7月末のKNT-CTホールディングスに続く措置。
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