パソナ、淡路島でウエルネス提案 開発の第3ステージ MICE利用など視野

2022.07.11 00:00

禅坊靖寧は空中に浮かぶような設計。陽光や新鮮な空気を取り込み心身のバランスを整える

 本社機能を移転して淡路島の経済活性化に取り組むパソナグループは、ウエルネスをテーマとする滞在の提案に力を入れる。発酵料理や湯治のホリスティックウエルネスホテル「望楼 青海波」に続き、禅体験ができる「禅坊靖寧」を今春開業した。08年から島内の就業支援や関係人口の創出に乗り出し、食や文化芸術の施設を整備してきたなか、ウエルネスを開発の第3ステージと位置付けている。

 パソナが開発を進める島北部は、阪神淡路大震災の震源地として最も打撃を受けたエリアだ。島の主要施設や温泉宿が集中する洲本市に比べ復興が遅れていた。社会課題の解決を企業理念とする同社にとって、地方創生はその一環。廃校の小学校をレストランに改装した「のじまスコーラ」に代表される施設の開業や人材育成プログラムなどを手掛け、17年からは世界にも目を向けて、アニメパーク「ニジゲンノモリ」の開業などキャラクターコンテンツの発信に取り組んできた。

 ウエルネス推進の狙いについて、Awaji Marketing Hubの黒崎秀将ディレクターは「コロナ禍で人々が人生を見つめ直すようになった。ウエルネスやマインドフルネス、観光での利用を推進し、市場を開拓したい」と語る。

 禅坊靖寧ではヨガや座禅、香、書道をセットにした約3時間の日帰りプランなどを提供する。企業研修の体験プログラムとして働きかけたい考え。禅の教えには世界の経営トップも注目する。訪日MICEのユニークベニューとしても可能性を見いだしている。

 島全体でウエルネスを体感できる仕掛けとして、今秋をめどに食のサミットなどイベントを計画している。多言語対応など受け入れ体制も徐々に整備していく。

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