ブッキング・ドットコム、コネクテッド戦略は棚上げ 宿泊事業を優先
2020.10.19 00:00
OTA(オンライン旅行会社)のブッキング・ドットコムは、依然として多くの国で国境を越えた旅行制限が実施されていることから、主に自宅近郊を旅行する顧客のニーズを満たすために事業の優先順位を見直している。これは同社が掲げるコネクテッド・トラベル戦略を保留することを意味する。
コネクテッド・トラベル戦略とは、宿泊施設や交通機関、観光、決済などを含むパーソナライズされた一連の体験の提供。アンジェル・ユル・マンカス・アジア太平洋地域マネージングディレクターはオンライン旅行業界の国際会議「ウェブ・イン・トラベル」のバーチャルイベントで講演し、コネクテッド・トラベルは長期戦略の一部であり、現在の優先順位は低下していると語った。「市場が抑圧されている時はコア事業を2倍にする必要がある。われわれのコアは宿泊事業だ」。第2四半期(4~6月)と7月の新規宿泊数は平均で70%が国内旅行で、一部市場では100%に達した。19年の国内予約の45%と比べ大幅に伸びている。
このため、日本では国内旅行者のニーズが高い旅館の在庫確保に力を入れた。韓国やインドネシアなどでは、代替の支払いオプションを使用できるようにするなど決済機能を拡張した。「特にアジアでは、地元に適応しなければ国内旅行者の大部分を失ってしまう」(同)
マンカス氏は国内旅行者向けのマーケティング戦略について、地元の市場に深い洞察を持ち旅行需要を促進できるグラブやLINE などとの提携を通じて「大きな勝利を見据えている」と述べている。
この記事は米フォーカスライト運営のニュースサイト「フォーカスワイヤー」を基にフォーカスライトの牛場春夫日本代表が執筆したものです。参考記事(英文)はこちら。
「Booking.com pursues domestic growth, downplays “connected trip” strategy」
関連キーワード
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
キーワード#OTA#新着記事
キーワード#ブッキング・ドットコム#新着記事
キーワード#宿泊#新着記事
週刊トラベルジャーナル最新号
アクセスランキング
Ranking
-
江ノ電に高雄メトロ号 日台観光電車プロジェクト 菓子メーカーが仕掛け人
-
観光庁、候補DMO制度を廃止へ 登録要件厳格化で 25年4月にガイドライン
-
韓国パラダイスシティ、日本からのMICE誘致に注力 初のイベントで訴求
-
日米観光交流年で旅行企画コンテスト、父と息子の宇宙旅が大賞 シンポジウムで需要回復議論も
-
専門家・実践者が語る文化観光が目指す未来
-
クールジャパン再起動 崖っぷちからの脱出
-
変革迫られる観光、次世代が鍵 観光立国リーダーらの認識一致
-
主要旅行業者の7月取扱額、海外旅行やや回復も法人中心 19年比プラスは7社
-
JTB、楽天、ブッキングがサステナブルな旅提唱 共同ブースで呼びかけ
-
観光の限界点のその先に