HIS、上場以来初の赤字 経費削減と国内強化でてこ入れ
2020.07.06 00:00
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2020/07/0713_P06-01.jpg)
新型コロナウイルスが旅行業に与える影響は、2桁成長を当たり前としてきたエイチ・アイ・エス(HIS)にとっても例外ではない。20年10月期中間期(19年11月〜20年4月)連結決算は主力の旅行事業が大苦戦し、最終損失34億5900万円を計上(前年同期は49億6400万円の黒字)。02年の上場以来初めて、通期を含めて営業・経常損益ともに赤字となった。先行きが不透明ななか、聖域なきコスト削減を断行し、国内に当面の軸足を移して今後の体制づくりをする。
売上高は8.9%減の3443億5300万円。販管費が3.7%減にとどまり、14億6900万円の営業赤字となった。旅行事業のみでは16億7600万円の赤字。年間1300億円規模のコスト構造を見直し、人件費や宣伝費を中心に300億円減らして身軽にする。かねてから澤田秀雄代表取締役会長兼社長が時代の終焉を指摘する店舗の統廃合も推し進め、都市圏の重複箇所を対象に全体の3分の1に当たる約90店舗を閉める計画だ。
旅行事業は要の海外旅行の早期回復が見込めないなか、国内旅行に当面の軸足を移す。リソースを再配置して仕入れを強化し、ダイナミックパッケージ化を促進。売上高を現行の570億円から1〜2年で1000億円へ拡大する。国内に力を入れるのは、今後も成長を見込む訪日旅行の基盤をつくる狙いもある。
一方、新たな販売モデルも模索する。米国法人のスタッフなどが現地を案内するオンライン体験ツアーが好調で、現地情報を直接届けることによる顧客との接点づくりとフィー化のツールとして有望視。サブスクリプションも試行中で、他の海外方面や国内への拡大展開を視野に入れる。デジタルトランスフォーメーションの促進に向けて本社に推進本部も新設した。
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