ヒルトンCEO「需要回復に3〜4年」 病院レベルの衛生基準で安心・安全提供

2020.06.08 00:00

 ヒルトンのクリス・ナセッタ最高経営責任者(CEO)は新型コロナウイルスの影響について、同社の長期的展望に対する楽観性を損なうものではないとする一方で、「需要が19年の状態に戻るには3~4年かかる」との考えを示した。同社は現在、中国の約250軒すべてのヒルトンホテルを営業中だが、欧州では40%が休業し、米国でも約12%が営業を取りやめている。また、全世界の従業員43万人の約60%が一時帰休している。ナセッタCEOは、世界中の旅行制限が緩和されても回復はスローペースと予測し、終息後の経済危機に懸念を示した。

 ヒルトンは病院レベルの衛生と清潔さのプロトコルを開発した。人々は安全性を感じなければ旅行をしないからだ。従業員は検温や健康状態の報告を行い、特定の状況でマスクと手袋を着用する。チェックインや室内サービスなどに非接触型技術を用いるほか、ロビーにマスクや消毒剤を備えたステーションを設置する。客室のドアには宿泊客が開ける際に破れるシールを貼り、掃除後に誰も入室していないことを保証する。

 しかし、これらの対策は永続的ではない。ナセッタCEOは「3年後には見ることができなくなるだろう」と言い、「われわれはこの問題を乗り越え克服する。人々は再び安全を感じ始め、より正常に戻るだろう」と述べた。


この記事は米フォーカスライト運営のニュースサイト「フォーカスワイヤー」を基にフォーカスライトの牛場春夫日本代表が執筆したものです。参考記事(英文)はこちら。
「Hilton’s Nassetta: 3 to 4 years for recovery, but “no less optimistic” about travel」

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