アドベンチャートラベル、ガイドに課題 言葉の伝達よりストーリーやエンタメ性
2023.10.30 00:00
日本の観光資源と相性が良く地方が主役となれる旅行形態として、アドベンチャートラベルの注目度が高まるなか、北海道で9月に開かれたアドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット(ATWS)は世界の関心を日本に引き付ける重要な機会となった。一方で、今後に向けた課題も浮かび上がった。
日本政府観光局(JNTO)は全国のDMOや旅行会社などと連携して「ジャパンラウンジ」を運営し、情報を発信。大会の前後には、道内外で体験ツアーが実施された。これら参加者のアンケート調査で指摘されたのが英語ガイドだ。日本の課題を尋ねたところ、「ガイドの英語レベルが低い」との回答が最多。「日本までの距離が遠い」「情報が不足している」を上回った。
アドベンチャートラベルは、自然、文化体験、アクティビティーのうち2つ以上の要素で構成される旅を指し、ガイドはこれらをストーリーで語ることが求められる。JNTO市場横断プロモーション部の藤内大輔部長は、「知識を単に外国語で伝えられるガイドは数いるが、エンターテインメント性も含めて伝える能力があるガイドが少ないと指摘を受けた」と話す。
日本のコンテンツは多様さやホスピタリティーなどに驚きや感動を持って受け止められた半面、英語ガイドを増やすことが必要との指摘もあった。アウトドアの体験では危機管理能力も求められるため、「ガイドはまだまだ少ない」(同)。
ガイドは以前から課題とされ、北海道や長野県などは育成制度を模索してきた。JNTOは次年度以降、国際団体「アドベンチャー・トラベル・トレード・アソシエーション」の専門スタッフによるコンサルティングなどの活用を検討していく。
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