JTBもテレビ通販に着手 動画での情報発信を重視 まずクルーズから
2023.10.09 00:00
JTBはテレビショッピング番組を通じた旅行商品の販売を始めた。通販会社のQVCジャパンと組み、第1弾として、MSCベリッシマをチャーターした12月30日出発のグアム・サイパンクルーズ9日間を販売した。旅行会社によるテレビ通販は近年、体験に商材を広げたい通販会社側の狙いも相まって事例が増えている。JTBは顧客との接点を拡大するなか、動画を用いた情報提供手段として重視した。
「お買い物チャンネルQVC」で9月29日に3回、いずれも20分にわたり放送した。1人当たり旅行代金は26万9998円からで、QVC会員限定の特典として船内でのチップやドリンク、有料サービスに使えるオンボードクレジットを付けた。放送後、申し込みや問い合わせは順調に入っているという。
JTBは店舗、インターネット、新聞広告などを通じて旅行商品を販売しているが、申し込みの前段階でより多くの情報を届けるために、動画など映像資料による情報の重要性が一層高まっているとする。番組視聴者のニーズに最も合った旅行商品としてクルーズを選んだ。一方のQVCはアパレルや美容品、家電などを取り扱ってきたが、旅行はこれが初めて。互いの強みを生かし、新たな顧客獲得に結び付ける。
旅行のテレビ通販は、自社グループで番組を持つジャパネットツーリズムが成果を上げているほか、昨年には阪急交通社がジュピターショップチャンネルと組んでクルーズ旅行を初めて販売した。また、クラブツーリズムはテレビ東京ダイレクトと共同で旅番組を展開するなど、広がりを見せている。
JTBは今回の反響を見ながら、国内・海外旅行商品の提供内容や時期を検討し、販売していく予定だという。
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