観光庁概算要求、2.2倍の661億円 混雑緩和や人材確保に重点 海外旅行関連は0.7億円
2023.09.04 00:00
観光庁は24年度予算の概算要求で前年度予算額の115.3%増となる661億1200万円を求めた。このうち一般会計は119.7%増の241億1200万円で、オーバーツーリズムの未然防止や観光事業者の人材確保支援など、直面する課題を解消する施策に重点を置いた。国際観光旅客税の充当分は112.9%増の420億円で、訪日客を含む出国者がコロナ前の7割まで回復すると想定した。
観光立国推進基本計画に即し、持続可能な観光地域づくり、地方への訪日客誘致、国内交流拡大が事業の柱。持続可能な観光地域づくりには4.4倍の162億6400万円を投じる。訪日客の回復に伴い混雑やマナー違反などの懸念が生じており、マナー啓発に必要な備品やパークアンドライド促進のための駐車場の整備を促す。
宿泊業を中心に問題となっている人手不足に関しては、マッチングイベントの開催やITを活用した設備導入を補助する。2.7倍の4億円を付けた。
複数年で支援する「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化」には、22年度補正予算で確保した約1500億円のうち、後年度分の中から120億円を充てて補助する。
地方誘客事業へは5.0%増の63億6100万円を割く。戦略的な訪日プロモーションに5.3%増の55億1800万円を配分。日本人の海外旅行促進につながる「双方向交流拡大に向けた各国政府観光局等との連携促進事業」には、従来の教育旅行促進を含め3.5倍の7000万円を投じる方針だ。
復興枠は21.4%増の9億3500万円。福島原発の処理水放出で風評対策が重要になるとして、近隣県の海のレジャーを推進するブルーツーリズムに61.1%増の4億3500万円を割く。
【あわせて読みたい】観光庁予算の考察 産業本格回復への使途 ホープツーリズム ありのままを伝える福島復興の旅 観光地の面的再生なるか 施設改修・廃屋撤去支援事業の行方
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