地域振興にデジタル住民票NFT 東武トップツアーズが新事業 旅行者増にも貢献
2023.07.17 00:00
東武トップツアーズは、NFT(非代替性トークン)で日本最大級のマーケット「HEXA(ヘキサ)」を運営するメディアエクイティと包括的業務提携を締結し、デジタル住民票NFT販売事業に取り組む。提携に先立ち、5月に人口約5000人の山形県西川町のデジタル住民票NFT を販売したところ、限定1000個(1個1000円)の枠に対して1万3440個の購入希望が寄せられた。関係人口創出へNFTに可能性を見いだした。
自治体が公式にデジタル住民票NFTを発行するのは日本初という。手応えを得て、各地でNFTを活用した地域活性化策を進めていく考えだ。7月14日には山口県美祢市でも発売した。
住民票は通常、その地に住んでいる人に対して発行されるが、デジタル住民票NFTは実際には住んでいない人にもデジタル上で住民票が発行され、希望者が購入し、転売もできる。西川町のケースでは、購入特典として町長も参加するオンラインコミュニティーで交流できるようにしたほか、観光客誘致へ温泉入浴などを無料にした。
ヘキサはNFTの販売に仮想通貨が不要で日本円で取引できる点が特徴。デジタル住民はNFTを通じて自治体のステークホルダーとなり、自治体側はこれらNFT保有者に限定した情報発信など交流が可能になる。デジタル住民が実際にその地を訪れることで観光振興も期待できる。
東武トップは企業のインターンシップにもNFTを活用する。デジタル人材の育成を推進するため、8月にチャットGPTやメタバースなどの開発技術を学ぶインターンシップを行い、合宿とオンライン受講の修了者に修了証書NFTを発行する。話題性のあるNFTで同社に対する期待値を高める。
【あわせて読みたい】ゼロからわかるNFT ツーリズムにじわり波及 2022年6月13日号>ゼロからわかるNFT ツーリズムにじわり波及 東海自動車がNFTプロジェクト 車両イラスト活用 105年の歴史を永久的な証しに NFTで青森ねぶたの価値向上 「風神雷神」データをアートとして販売
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
キーワード#地域振興#新着記事
週刊トラベルジャーナル最新号
アクセスランキング
Ranking
-
城崎温泉街をWHILLで移動 高齢化に対応 でこぼこ道も観光しやすく
-
COP初、観光業の気候対策宣言で歴史的節目 課題は行動 日本の出遅れ感指摘する声も
-
JTBの中間期、増収減益 非旅行事業の減少響く
-
交通空白地解消へ官民連携基盤 自治体・交通事業者と支援企業をマッチング
-
廃校へ行こう! 地域の思いが詰まった空間へ
-
新千歳も外国人入国者プラスに 主要空港の8月実績 韓国けん引
-
リゾートトラストと三菱商事、医療観光で合弁事業を検討
-
沖縄県の宿泊税、都道府県で初の定率制に 26年度から2%で導入へ
-
AI浸透で観光産業に3つの変革 企業関係管理でパーソナル化 流通は直取引に
-
福島・浪江で町の未来考える謎解き企画 異彩作家と連携