国際航空券に新リテールモデル IATA推進、予約から決済まで単一記録で管理
2022.12.12 00:00
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2022/12/1219_P04-01.jpg)
IATA(国際航空運送協会)は「モダン・エアライン・リテーリング」と称し、国際航空券の新たな小売りモデルを推進するプログラムを立ち上げた。旅券や搭乗券、顔データなど生体情報をひも付けた「One ID」と新流通規格(NDC)を活用する。物のリテール販売はオンラインが一般的となり、購入手続きも最新技術の導入で利便性が高まっている。国際航空券も同様の環境を整えることで、販売機会を拡大する。
IATAは現在の航空券流通を時代遅れと見て、革新の基盤となるワンIDなどの開発に取り組んできた。プログラム推進の意図について、「航空会社の流通を他のほとんどの小売業者が使用するものと同等に、オファー(提供)とオーダー(注文)のシステムに変換する」と説明する。
オファーとオーダーはNDCの特徴的な機能。航空会社が自社サイトに限定していた航空券やその他付帯サービスを旅行会社や仲介業者を通じて幅広く提供し、顧客の目的や嗜好に即したオファーを可能とする。オーダーの際に、予約・発券記録などもすべて統合した単一の顧客レコードで管理する仕組みを用いれば、予約から決済までのプロセスを簡素化でき、旅程変更などへの対応も容易になると見ている。
NDCの利用が航空会社だけでなく旅行会社でも進んできたことが背景の1つ。IATAによると、世界的に見て旅行会社の売り上げの約10分の1がNDCからもたらされ、一部の航空会社では間接予約の30%以上がNDCを通じて行われている。
新モデルへの移行は先進的な航空会社でつくるコンソーシアムが主導する。アメリカン航空やルフトハンザグループ、エミレーツ航空、シンガポール航空などが名を連ねている。
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