年度内に観光立国推進基本計画 岸田首相が策定指示 25年までの3カ年
2022.10.17 00:00
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政府は新たな観光立国推進基本計画の検討に入る。10月11日に観光立国推進閣僚会議が開かれ、岸田文雄首相が22年度内の策定を指示した。前計画は20年度末で期間が終了し、1年以上の空白が生じている。コロナ禍により、計画の中核を成すインバウンドの動向を中長期的に見通すことが厳しい状況として、検討を先送りしていた。水際対策が緩和され、訪日旅行が本格再開したことを受けて着手する。
計画の対象期間は大阪・関西万博が開催される25年度をターゲットとする3カ年。16年に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」では、30年に訪日外国人旅行者数を6000万人、同消費額を4.8兆円などとする目標を掲げており、現在も維持している。新たな計画は中間目標に位置付けられる見通し。ただし、これら目標値の見直しを目的とせず、項目建てを含め広く検討する。交通政策審議会観光分科会を開催し、具体的な議論を始める。
また岸田首相は、訪日旅行消費について速やかに5兆円超を達成することを目指し、関係省庁の政策を総動員して集中的な政策パッケージをまとめることも指示した。19年は4兆8135億円で、観光目的の訪日が途絶えた21年は1208億円まで落ち込んだ。円安の力も借りて、ここからV字回復を図る。
ただ、回復のあり方については議論の余地がありそうだ。星野リゾートの星野佳路代表は「19年の形に戻すのではなく、当時からの課題を解消すべき」と指摘する。訪日外国人の宿泊の6割強が上位5都道府県に集中し、地域間のインバウンド格差が生じているためだ。解消の鍵とするのが道州制の考えに基づく誘客。九州や東北など地域一体で予算を確保し、ブランディングを行うことが効果的などとしている。
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