地方空港、手探りの国際線再開 再び運休相次ぐ 入国・行動制限が妨げに

2022.08.29 00:00

 地方空港で国際定期便の再開が少しずつ進んできた。政府はこれまで、国際線発着が可能な空港に新千歳、那覇、仙台、広島、高松を加え、国際拠点空港などと合わせて全国10空港に拡大した。このうち新千歳と那覇は8月初旬、2年4カ月ぶりに国際線が再開。ただ、再び運休となるなど、需要との見合いから手探りの状態で、安定した座席供給には至っていない。

 那覇空港では、韓国のティーウェイ航空が8月2日にソウル線を再開した。しかし、2週間限りの運航で運休入り。沖縄県によると、韓国、台湾、香港を中心に航空会社から運航スケジュールの届け出はあるものの、キャンセルで先送りとなり運航が実現しない状況が続いている。パッケージツアーでの行動管理やビザ取得、入国者数上限といった水際対策が需要の妨げになっており、ここに感染拡大も加わった。「個人旅行の受け入れが今後を左右するが、本格的な再開は冬期スケジュールからではないか」(誘致企画班)

 新千歳は韓国3社がソウル線を開始したのに続き、チャイナエアラインが8月下旬に台北線、スクートが11月からシンガポール線を予定する。だが、やはり状況は不安定だ。北海道航空課によると、大韓航空は8月14日を最後に運休し、ティーウェイは9月からチャーター便に切り替える。東アジア線の場合、各国の規制も障壁となっている。道は支援策として、1便当たり15万円を条件付きで補助する制度を設けた。「これを活用しながら再開を働きかけていきたい」(同)

 このほか、仙台空港へはタイガーエア台湾が冬期の再開を予定している模様。宮城県は「再開を見越し航空券販売を行っているようだ」(空港臨空地域課)と期待を寄せている。

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