福井銀行、旅行業に参入へ 観光地域商社を設立 富裕層向け着地型商品や物販
2022.08.08 00:00
福井銀行は福井県内への誘客促進を目指し、100%出資の観光地域商社「ふくいヒトモノデザイン」を7月28日付で設立した。県では、24年春の北陸新幹線敦賀延伸や26年の中部縦貫自動車道の全線開通を控え、県外とのアクセス向上が見込まれる。地域の資源を生かした着地型商品の企画・販売を通じて関係人口を増やし、地域経済の活性化に貢献する。第2種旅行業への登録取得を進め、10月をめどに事業を開始する予定。
銀行の業務範囲や事業会社への出資にかかる規制を緩和する昨年11月の銀行法改正を受けて設立した。近年、地方銀行が関連会社を立ち上げて地域商社や古民家再生など地域振興に取り組む例が増えているが、旅行業に乗り出すのはまれ。福井銀行はこれまで、地域振興チームを設けて県内自治体に課題解決の提案を行ってきた。公共交通網の整備は地域の発展につながる大きな機会であると同時に、同行にとって新たな分野に事業領域を拡大するチャンスでもある。
佐竹範之取締役兼常務執行役が新会社の社長を兼任する。社員数は役員含め7人。地域振興の担当者や観光連盟への出向経験者などをそろえ、昨年に子会社化した福邦銀行からの出向者も含まれる。
国内外の富裕層をターゲットに高付加価値な体験商品を提供したい考え。地域の事業者との連携を強めていく。地場産品のプロモーション・販売など物販事業も手掛ける。
北陸新幹線は金沢/敦賀間が建設中で県内に4つの新幹線駅が誕生する。駅周辺の再開発が進み、福井駅前には北陸初のマリオットが進出予定。中部縦貫道は信濃、飛騨、越前を結ぶルートで観光に多様性が生まれる。
【あわせて読みたい】2021年6月14日号>地方銀行の観光振興 地域を変える新たな枠組み 地方銀行の観光振興 地域を変える新たな枠組み 富士山を文化資源に富裕層誘致 地銀らが連携 滞在型の体験提案へ
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