IR開業候補地は大阪と長崎に 27~29年めど 和歌山県は白紙

2022.05.16 00:00

 日本版IR(統合型リゾート)の実現に向け、観光庁に整備計画を申請したのは最終的に大阪府市と長崎県の2地域となった。申請期限の4月28日までの動向が注目されていたが、開業一番乗りを目指していた和歌山県は資金調達の不明瞭さが問題視され、県議会で否決された。国は最大3カ所を認定する方針で、当初は横浜市が名乗りを上げていたほか、外資大手のIR運営会社が市場参入を狙い続々と日本に事務所を構えるなど、競争激化の様相を見せていたが、結果として選定枠内にとどまった格好だ。

 大阪は25年の万博開催地でもある人工島「夢洲」で29年秋~冬ごろの開業を目指す。複合型の国際会議・展示施設を宿泊や飲食・エンターテインメント施設と機能連携し、オールインワンのMICE拠点を整備して首脳級会合などを呼び込む。3年目の目標は約530件。宿泊施設はVIP向けの「MGM大阪ヴィラ」など3施設計2500室を予定している。送客面では、旅行の企画・提案・手配を一貫して行う関西ツーリズムセンターに加え、近接して大規模なバスやフェリーターミナルを整備し、全国への送客と周遊観光を支援する。

 ハウステンボスに開業する長崎県は27年を目指す。西日本最大級となる1万4000人超収容の国際会議施設を設け、年間20万人程度の送客を実現できるよう情報提供やサービス手配の設備を備える。ホテルのコンシェルジュと連携して超富裕層の嗜好に合わせた商品の提供を客室で行うバトラーサービスも想定している。宿泊施設はラグジュアリーホテルから伝統的な温泉旅館まで4施設・計2522室を用意する。

 今後、観光庁の有識者委員会が滞在型観光の実現可能性やギャンブル依存症対策などを審査する。

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