MICE再開へ「日本の姿勢発信を」 関係者協議会 国際誘致競争に備え
2022.04.25 00:00
MICE関係者と関係省庁でつくる観光庁の協議会は、国際的なMICEの再開に向けて必要な対応を取りまとめ、日本の姿勢を海外に発信することやオンライン化への対応などを柱に盛り込んだ。コロナ禍を受けた移動や集会の制限により、参加者が一堂に会するMICEは中止や延期を余儀なくされ、オンラインへの代替が進んだ。ただ、規制緩和により、すでに対面式の国際会議が一部で再開されている。日本は誘致競争に後れを取ることなく再開に取り組む必要がある。
まず、日本が国際MICEの受け入れに取り組む姿勢を積極的に表明することが重要とした。国としての方針や見通しが見えづらく、関係者が誘致・開催に取り組みにくい状況が背景にある。受け入れ可能な範囲内でMICE主催者・参加者も入国可能な旨を観光庁と日本政府観光局(JNTO)が連携して周知し、入国条件を明示・改定しながら受け入れを進めることを求めた。MICE推進の目標設定も必要とし、従来に引き続き開催件数でアジア1位の地位を目指す一方、オンラインも含めた参加人数や会議以外の訪日ビジネス客数を参考指標として計測することを提言した。
オンライン化への対応では、各都市や施設、PCOなどが必要な設備を導入し、運営ノウハウを取得することとした。一方、オンライン化で訪問者が減少すれば、開催地の経済効果が減少する懸念がある。そのため、直接効果にとどまらないMICEの開催意義やレガシー効果について、国に周知を求めた。
誘致競争力の強化では、国の産業振興に戦略的に活用する観点から展示会の国際化を挙げた。一般観光との連携も重要とした。エクスカーションや同伴者プログラムでの体験価値の向上が誘致力につながるとみている。
【あわせて読みたい】観光庁、MICE施設の国際衛生認証を促進 取得マニュアルで世界の流れに呼応 MICEの生き残り戦略 <PR>全旅、MICE運営管理サービスを稼働 大人数のイベント管理が容易に コロナ時代のMICE キーワードから探る変化
カテゴリ#観光政策#新着記事
週刊トラベルジャーナル最新号
アクセスランキング
Ranking
-
箱根でロボット案内の実証実験 訪日客増でスタッフ確保に課題
-
来たれ!クルーズブーム 日本船建造ラッシュをてこに
-
「成長はリスクを取ってこそ」 カブクスタイル砂田CEO、HafHで第2ステージへ
-
HIS、旅行業の社内カンパニー設置 持ち株会社制移行を見据え
-
主要旅行業者の6月取扱額、国内・訪日が19年比8割回復 募集型との差大きく
-
高騰する米大学の授業料
-
HIS、コンテナホテルに出資 株式20%取得 地方への誘客拡大
-
交通空白解消へ概算要求274億円 ライドシェアで地域と観光の足を確保
-
ヤマト営業所で手荷物預かり 難波に自動搬送型の保管システム
-
産官学連携ツアーで完売目指す 阪急・日大・三島市 マネタイズのモデルを提言へ