海外旅行需要の獲得に先手 水際対策緩和で手配旅行販売 安心感売りに

2022.03.14 00:00

 新型コロナウイルスの水際対策緩和により、これまで海外旅行の障壁の1つとなっていた帰国後の制約が条件付きで解消された。これを受け、旅行会社が旅行需要喚起へプロモーションを積極化する動きが出てきた。

 エイチ・アイ・エス(HIS)はウェブサイトの海外旅行ページトップに「今すぐ行ける海外旅行 ついに渡航再開!」と打ち出した。募集型企画旅行は感染症危険情報などの関係で控えざるを得ないが、航空券やホテルの手配は可能であることを周知。「ワクチン接種者モニタープラン」では、航空券やホテル、送迎、キャンセルサポート等のセット購入による割引商品(手配旅行約款適用)を設定した。一例として、成田発ニューヨーク5日間(4月1~27日出発)の場合、航空券などを個別購入するより10万円安くなる。

 第2種旅行業のホットスプリングは、国内旅行で展開していた旅行予約サービス「こころから」を海外旅行に広げた。3月31日までに事前登録すれば、通常は5500円のサポートプランを無料とし、需要を先取りする。

 航空会社と宿泊施設を独自の予約システム上で組み合わせ、手配旅行として提供する。併せて、コロナ禍では出入国手続きの準備等に特別な対応が求められることを考慮。必要な準備・手続きの事前チェックや現地医療機関を案内するなどのサポートを用意した。海外旅行参入は、大手の店舗閉鎖が相次ぎ、機動力のあるスタートアップにとって大きな商機と判断した。

 3月1日からの水際対策緩和では、感染流行の非指定国からの帰国でワクチンを3回接種済みであれば自己隔離が不要になった。対象にはハワイ(米国)など人気旅行先が含まれ、対象国の拡大に期待が高まっている。

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