観光のGDP寄与額、22年は大幅改善の兆し WTTC予測 コロナ禍前に迫る水準へ
2022.02.14 00:00

世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は22年の旅行・観光産業の回復に大きな期待を示し、世界のGDP(国内総生産)への寄与額が8.6兆ドルに達する可能性を明らかにした。19年をわずか6.4%下回る水準。最新の調査に基づき、世界が新型コロナウイルスのパンデミックから回復し始めれば、旅行・観光産業は世界経済と雇用の両面でほぼ以前の水準に戻ると見ている。
19年のGDP寄与額は9.2兆ドルに達し、世界のGDP の10.4%を支えた。だが、20年には多くの国・地域で事業の休止・縮小等を余儀なくされるなどで、4.5兆ドル近くまで半減していた。
22年は新たに5800万人の雇用も創出され、旅行・観光産業の従事者は全世界で3億3000万人になると見通した。これは20年時を21.5%上回り、コロナ禍前に比べわずか1%減の水準。
今後も変異株による感染拡大など懸念材料はあるものの、世界でワクチン接種が順調に進み、国際旅行への制限の緩和が加速していくことが前提。WTTC は各国政府に対し、デジタル技術を活用したワクチンパスポートなどを積極的に活用しながら、安心・安全な旅行の再開を強く求めている。
渡航制限の緩和が最も進んでいないのがアジア太平洋地域だが、オーストラリア政府は2月21日から、ワクチン接種済みであればどの国からの来訪者も受け入れる国境再開に踏み切る。これまでは厳しい渡航制限を敷き、全面停止やトラベルバブルなど限定的な対応が取られ、航空便も多くが運休や減便を余儀なくされてきた。IATA(国際航空運送協会)はこうした動きに対し、「アジア太平洋は非常に慎重だったが、ここ数週間、フィリピン、タイなどで緩和に向けた勢いが高まっている」とし、大きな期待を寄せている。
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