モナコ、持続可能な観光の白書作成 強みと課題を把握 今後の戦略策定の基礎に
2022.02.07 00:00
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持続可能で責任ある観光へのムーブメントが高まるなか、モナコ政府観光会議局はサステイナブルツーリズムに関する白書をとりまとめた。モナコの観光の現状を分析し、強みと弱みを明らかにすることで今後の戦略と行動計画に関する議論を促す狙い。同局は2010年から持続可能な観光の推進に着手し、ホテルの88%が国際的な環境認証や持続可能性認証を取得済みなど、取り組みが進む。白書はより推進するうえでの新たな課題の把握にもつながっており、政策面で日本などを大きくリードしている。
白書は住民、観光客、観光産業の従事者と経営層を対象に調査を実施。国際ベンチマークとして約20の観光都市の情報も集めた。調査では、観光客の大多数がモナコをサステイナブルツーリズムに努力している国との認識を持ち、特にソフトモビリティー利用サービスを高く評価していることがわかった。一方で、住民の認識度合いは半数にとどまった。夏をピークとする観光の繁閑差に不満があり、交通状況の改善に必要性を感じている。
事業者は、67%が水とエネルギーの使用料削減に努めているなど広範な取り組みが進む。ただ、継続するためには時間やスキル不足が障壁となっているとの課題意識も浮かび上がった。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)を分析し、モナコの観光に適する6つの目標も特定した。目標12「持続可能な消費と生産パターンの確保」などで、強みと改善すべき分野を明示した。
白書では、「モナコはサステイナブルツーリズムで先行しているが、多くの国が迅速に動き始めており、肩を並べるためにはさらなる努力が必要」と指摘。戦略的で運用可能な計画の作成が次の重要なステップとした。
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