三菱地所、歩き旅の促進へ新会社 ハード伴わないまちづくり JTBと共同で地域活性化
2021.12.06 00:00

三菱地所は、歩く旅をデジタル技術で手助けすることで新たな楽しさと地域のにぎわいを創出するサービスに乗り出した。利用者はスマートフォンアプリで旅先の情報を収集し、旅の最中にはGPS連動型音声ガイドで地域の隠れたストーリーを聞き探索できる。店舗と提携し、地域文化に触れるコミュニケーションの場も設けた。新設の100%子会社「膝栗毛」が手掛け、JTBコミュニケーションデザイン(JCD)と共同でコンテンツ開発や自治体・企業との連携を進める。
三菱地所でエリアマネジメント企画部を統括する米田大典氏が新会社の代表取締役に就いた。新サービスは社内の新事業提案制度に自ら応募し、実現した。「ハードを開発できない場所の方がむしろ多く、そこの文化が失われつつある」と地域の課題を捉え、人の流れをつくることでハードの開発を伴わない新たなまちづくりを行う。
歩き旅ルート第1弾として、日本橋から草津まで東海道の13区間の立ち寄りスポットや地域情報、店舗などのコンテンツを提供している。訪れた場所の写真を撮影し、アプリに登録するとポイントが貯まる。ポイントをアイテムと交換できる機能や、体験を発信してユーザー同士の交流を促す機能も設ける予定だ。店舗は現在14カ所と提携しており、今後増やしていく。
企業や自治体にアプリのシステム提供やコンテンツ作成、ブランディング支援などを行うことで収益を得るビジネスモデル。JCDが持つ自治体との強いパイプや地域活性化のノウハウを生かす。JCDの川杉章エグゼクティブプロデューサーは「コンテンツを広げて可視化できる」と高い期待を寄せる。エリアは静岡・大井川流域、京都太秦・二条などに広げる予定。
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