仏政府、持続可能な観光発展に軸足 復興プラン策定へ ホテル格付け制度見直しも
2021.11.01 00:00

フランスは、コロナ禍で環境が大きく変化したことで始まりつつある観光新時代においても観光大国を維持していくため、観光復興プランを取りまとめ、11月にも発表する。マクロン大統領のイニシアチブにより策定する国家レベルの政策で、持続可能な観光発展を最重要テーマに掲げる予定だ。背景には、持続可能な社会構築への意識が高い欧州の旅行者や、持続可能性への世界的な関心の高まりに対する戦略的な配慮がある。
フランス観光開発機構によると、国のホテル格付け制度の評価基準の見直しを含む観光客受け入れ体制の質向上や、環境負荷の低い交通手段を優先することを中心とする観光インフラの整備など、5つの柱で構成される見通し。このうちホテル格付け制度については、従来の施設・設備やサービス内容に対する評価だけでなく、二酸化炭素の排出削減や環境に優しい宿泊施設運営の実現などを評価基準に盛り込むことが検討されている。
環境負荷の低い交通手段の優先に関しては、7月に気候とレジリエンス法が両院で可決され、鉄道で2時間30分未満で移動できる国内航空路線を22年3月までに廃止することが決定済み。飛行機と鉄道の乗り換えをスムーズにする「トレイン&エア」の推進や、夜行列車の復活も始まっている。また料金と速度を抑えた“環境に優しいLCC 鉄道”と称されるスーパーローコスト長距離列車「OUIGO Classic Speed」を22年春から運行する。
長距離サイクリングルートの整備を進め、総延長を30年には21年比で1.35倍程度まで拡大する取り組みも着手済み。観光復興プランによって持続可能な観光発展への取り組みは今後、加速するものとみられる。
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