環境配慮型の旅、意識高まる 行動はいま一歩、情報発信が課題
2021.06.14 00:00
ブッキング・ドットコムが実施した調査によると、日本の旅行者の42%が新型コロナウイルスの影響で持続可能な旅行を志向するようになったことがわかった。自然環境や地域社会への配慮は世界との意識の乖離が指摘されてきたが、コロナ下での生活様式の見直しがきっかけとなり変化が見られる。ただ、具体的な行動が伴わない面がまだ多く、環境負荷軽減策を講じている宿泊施設への滞在は世界に比べて遅れている。宿泊施設側の情報発信に課題がある現状も浮かび上がった。
調査は30カ国・地域の旅行者2万9349人と宿泊施設を対象に実施した。「旅行においてサステイナビリティーが非常に重要」と答えた日本の旅行者は82%に上った。地域の文化や経済の持続可能性に対しても配慮する意識が高まっており、83%が異文化理解や文化遺産保護は不可欠と回答。66%が旅行者が比較的少ない旅先を選び利益を分散させたいとした。
一方、滞在先に関しては、全体の81%が「今年はサステイナブルな宿泊施設に滞在したい」と回答したのに対し、日本は36%にとどまった。同調査を初めて実施した16年の30%、コロナ流行前の20年の29%と比較すると増加しているものの依然として低い。旅行中の行動も、現地コミュニティーを支援するアクティビティーに参加経験のある人はわずか14%。全体の33%を大きく下回った。
要因はサステイナブルな宿泊施設を知らないことで、積極的に伝えている施設も31%にとどまった。
この結果を受け、ブッキング・ドットコムは「サステイナブルな旅行を簡単に選択できるようにするためにやるべきことは多い」とし、情報発信を支援する考えを示している。
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