日本人、環境配慮旅への意識低く
2019.05.06 13:43
ブッキング・ドットコムが実施した旅行先の環境やコミュニティーに配慮した旅行に関する意識調査で、次世代のためにサステイナブルな選択をする必要があると答えた日本人旅行者は40%にとどまり、全体平均の72%との乖離が浮き彫りとなった。15年に国連サミットで持続可能な開発目標(SDGs)が採択されて以降、観光分野でも自然・環境・文化に配慮する意識が高まるなか、日本人旅行者の意識の低さが際立つ結果となった。
調査は18カ国・地域で実施し、18歳以上で18年以降に1回以上の旅行経験があり、19年も旅行を計画している人を対象とした。今後1年の間に環境に配慮した宿泊施設に滞在する予定を問う設問では、全体の73%が「ある」と回答。16年に調査を開始して以降、4年連続で上昇しており、日本人も同様の傾向があると分析する。ただし、配慮の有無によって予約の可能性が「高くなる」と答えた日本人は36%にとどまり、全体の70%と34ポイントの開きが生じた。
調査では、日本人の知識不足が世界との差を拡大させる要因と分析する。事実、日本人の49%が「よりサステイナブルな旅行を行う方法がわからない」と回答し、全体を12ポイント上回った。地球環境の保全に取り組む施設を認証するエコラベルの存在を知っている旅行者が少ないことも判明。知らないとの答えは全体でも72%に上ったが、日本人はさらに多く84%を占めた。
旅行先での過ごし方にも違いが見られる。可能な限り徒歩や自転車を利用したり、ハイキングを行うなど、旅行中の行動が「変化した」との回答は全体の52%だった。一方、日本人は34%で、知識はもちろん、行動を起こしていない様子が色濃く出た。
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