文化観光の推進、新たに15件認定 彦根城や高野山金剛峯寺も
2021.06.14 00:00
文化観光推進法の下、文化庁と観光庁が共に推進する文化観光の支援対象に15の計画が新たに認定された。博物館など施設の機能強化に重点を置く拠点計画が9件、施設を中心に周辺で一体的に取り組む地域計画が6件。昨年5月の法施行以降、認定は3回目で、計40件に拡大した。今回は城や寺を軸とする計画が認定されたのが特徴。今後、国や国立博物館の助言、日本政府観光局(JNTO)による海外宣伝などを受け、文化観光を推し進める。
拠点計画は美術館や資料館が多いなか、総本山金剛峯寺が認定された。高野山全体が1つの寺で文化資源の集積地であるものの、来訪や拝観は一部に偏っている。高野町観光協会やDMC高野山、凸版印刷、南海電気鉄道らが連携し、価値の理解につながるストーリーをつくり周遊を促す。25年度に町への来訪者180万人、消費額78億円といずれも19年度比1.2倍を目標にしている。5年間の事業費は計画ベースで4億5200万円。半数が補助金となる。
地域計画では彦根城・彦根城博物館が認定された。旧城下町や古墳など周辺に文化資源が豊富な半面、観光ルートを面で展開できておらず、日帰り客が85%を占める。滞在や周遊を促すコンテンツ、多言語対応などを充実させ、新たな交通手段の導入を検討する。近畿日本ツーリスト関西が彦根城の管理運営を昨年から担っており、町と事業者の連携基盤を強みに25年度に施設への外国人来訪者を19年度比1.5倍の6万9000人に増やす計画だ。事業費は26億800万円で補助金は2億400万円。
地域計画はこのほか、沖ノ島や長崎県のキリシタン文化関連都市など世界遺産、日本刀の聖地として瀬戸内市の備前長船刀剣博物館などが認定された。
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