文化観光、新たに15計画認定 角川武蔵野ミュージアムや十日町市

2020.12.07 00:00

 文化庁と観光庁が共に推進する文化観光の支援対象に新たに15の計画が認定された。博物館や美術館の機能強化に重点を置く拠点計画が11件、文化施設を軸に一体的に取り組む地域計画が4件。5月に施行された文化観光推進法に基づく施策で、8月の第1弾と合わせて認定計画は計25件となった。文化への理解を深める機会を拡大することで国内外の観光客の来訪を促し、地域活性化や経済効果を文化振興に再投資する循環を生み出す狙いだ。

 新規認定では拠点計画が3分の2を占めた。その1つが所沢市に11月に開業した角川武蔵野ミュージアムで、市は観光協会やKADOKAWAらと連携し、同館を起点に周辺市町村への周遊ツアーを計画している。図書、美術、博物、アニメが複合した施設特性を生かし、国籍や年齢を問わない誘客を図る。

 22年開館予定の御代田写真美術館(MMoP)も認定された。旧メルシャン軽井沢美術館跡地で開発が進む写真作品の展示施設で、広告ビジュアル制作大手のアマナと御代田町役場らが連携し、観光資源の少ない町で文化観光拠点を創出する。予定地では欧州で人気のアートフォトの祭典を催した実績があり、これを継承し富裕層を誘致する。

 地域計画では、大地の芸術祭で知られる十日町市が認定された。常設作品と市内の史跡など結び付け、全域をとおかまちスノーカントリーミュージアムと位置付ける。市は7月に文化観光推進室を新設し、専任職員のほか、文化財や農林、観光など各部局の職員が兼務で連携を密にする体制を整えた。

 第1弾でも認定された奈良県では、明日香村が飛鳥宮跡など点在する史跡を生かす。観光協会や地域活性化包括連携協定を結ぶ星野リゾートと長期滞在商品の開発に取り組む。

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