旅行店舗、新形態で出店模索 HISが無人型、旅工房は大学とコラボ
2021.04.19 00:00
![](https://www.tjnet.co.jp/wp-content/uploads/2021/04/73eafdd672c5f086e61ac3a2954dc8bd.jpg)
コロナ禍で低迷する経営の改善に向け、旅行会社が店舗の統廃合を推し進めるなか、新たな形態で出店を模索する動きが生じている。エイチ・アイ・エス(HIS)は北海道と青森に無人店舗を出店。旅工房は神奈川大学のみなとみらいキャンパス内に支店を開設し、旅行販売にとどまらず地域の観光情報の発信や観光イベントを行う。店舗は顧客との接点となる一方、オンライン販売の拡大に伴い従来の延長線上では採算性が低い。新たなスタイルや役割を持たせることで商機を探っている。
HISが札幌市とおいらせ町のイオンモール内に開設したのは営業所登録を行わない無人カウンター。道県内の実店舗またはコールセンターとオンラインで結び、対応できるスタッフがモニター越しに旅行相談などに応じる。買い物ついでの客などを狙っており、すでに予約につながったケースがある。
無人店舗の利点は固定費を抑えながら機動的に出店できることだ。HISは構造改革で国内店舗を19年10月期の259店から100カ所程度減らす計画で、3月末時点で168拠点に縮小した。一方で、店舗がない空白地域では潜在需要が見込める。無人店舗は出店の初期費用が既存の小規模店舗と比べても5分の1程度。市場ニーズの把握にも活用できると踏んだ。同時に、実店舗に代替する可能性も見据えている。
旅工房が4月1日に開設した横浜みなとみらい支店は東名阪に続く4支店目。国際・地域交流の活性化を目指す大学の意向をくみ、校内に新設された観光ラウンジの運営を担いつつ、留学プランの共同開発や自治体と観光政策の連携も行う計画だ。同社は「店舗は旅行需要の喚起に必要なものだが、これまでとは違った形を模索していきたい」としている。
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