持続可能な観光、日本は世界53位 欧州が上位独占
2021.03.22 00:00

市場調査会社のユーロモニターインターナショナルが世界99カ国を対象に実施した持続可能な観光の評価ランキングで、スウェーデンを筆頭に欧州諸国が上位を独占した。アジアはラオスの51位が最高位で、日本は53位と後れを取っている。コロナ禍を経て、持続可能な開発目標(SDGs)の重要度が一層高まり、取り組みは旅行先選びにも影響する。調査はマスツーリズムからの転換を視野に旅行回復に向けたグリーン社会への対応を訴えている。
評価の柱は環境、社会、経済の各持続可能性に加え、外的リスク、持続可能な観光への需要、輸送、宿泊の計7項目。上位20位はすべて欧州で、30位以内でも欧州以外はボリビア、ニュージーランド、カナダ、オーストラリアのみだった。アジアは台湾55位、中国56位、タイ76位と相対的に低い。
1位のスウェーデンは45年までの二酸化炭素排出ゼロを政府目標に掲げる。観光事業者の65%が持続可能性に配慮した戦略を立て、観光で価値を生み出すため、経済、環境、社会に貢献していることが評価された。
項目別ランキングでは、環境の持続可能性でモザンビークがトップ。自然に配慮した観光を通じて収入確保と生物多様性の保護を行っている。社会の面では、教育や平等性などが評価されたオーストリア、アイスランド、チェコが上位を占めた。これに対し経済の面では、1位の香港をはじめ、アジア4カ国が10位圏内。日本は20位で、GoToトラベルが国内観光回復に貢献し、1人当たり粗付加価値が向上した。
日本はこのほか、持続可能な観光の需要で36位となった。同項目は、経済効果の創出と公害抑制というバランスの取れた観光が評価の柱で、日本は大幅な改善が評価されている。
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