京都、観光振興計画でSDGs重視 25年までの新計画で生活との調和や質向上

2021.02.01 00:00

 京都市は新たな観光振興計画の中間案をまとめ、25年までの5年間をめどとする行動計画として、市民生活と観光の調和・豊かさの向上、観光の質の向上、担い手の活躍など、5つの項目を柱に据えた。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた状況からの回復に向けた重点的な取り組みも盛り込んだ。国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)に即した観光の実現に注力し、コロナ下での対応を着実に進め、今後の観光のあり方について検討を深める。

 京都は10年と20年の過去2回の観光振興計画で量から質への転換と質の向上を図ってきた。25年までの計画では、これまでの取り組みを発展させ、SDGsを強化することを重視した。

 まず、市民生活と観光の調和・豊かさを向上させるため、観光が抱える課題への対策強化や観光を通じた文化の継承と創造に取り組む。市民には、観光効果の見える化や京都の魅力を再認識できる機会を提供する。事業者には地域貢献のさらなる推進を促す。

 観光の質の向上に対しては、エコ・グリーンツーリズムを推進する。リピーターと京都のつながりを築く機会を拡充。ワーケーションなど滞在型観光を推進し、宿泊観光や長期滞在化を促す。また、担い手の活躍では、観光分野における課題解決に向けたスタートアップなどの支援により、観光関連ビジネスの活性化を図る。 

 持続可能な観光の推進では、感染症・災害・国際危機などへの危機管理体制を強化する。事業者と地域が連携し、危機発生時に向けた取り組みを一体的に実施する。緊急時の情報発信は多言語で効果的に行う。さらにMICEでは、重視される環境負荷の一層の軽減などに取り組む。