宿泊業の倒産、7年ぶり100件台 コロナ関連が半数
2021.01.25 00:00

東京商工リサーチ(TSR)の調べによると、20年(1~12月)の宿泊業の倒産は前年比57.3%増の118件となり、13年以来7年ぶりに100件台に上った。このうち新型コロナウイルス感染拡大を要因とする倒産は55件で全体の約半数を占め、倒産件数で最多の飲食業を大きく上回り、業種別最大となった。入国制限で近年の収入源となっていた訪日外国人客の需要が消失し、かねてから業績が低迷していたところに追い打ちをかけた。
原因は販売不振が79件で最多。累積赤字など既往のしわ寄せが22件と次いで多く、こうした不況型倒産が全体の約9割を占めた。事業上の失敗など放漫経営は3件にとどまった。
資本金別では1000万円未満が45.7%を占め、倍増した。従業員数でも5人未満が半数と小規模企業が目立つ。ただ、50人以上300人未満も件数自体は少ないものの増えており、倒産が中堅企業に広がっている様子がうかがえる。一方、300人以上は皆無だった。
倒産は39都道府県で発生し、地域別の大きな偏りはないが、京都、長野、東京の増加が際立った。同3都府県は件数も上位で、観光地でのコロナ禍の影響が大きかったようだ。
負債総額は580億1200万円。前年に大型倒産が発生したことの反動により54.0%減だった。1億円以上5億円未満が最多の51件で70.0%増加した。1億円未満の割合は低下しており、中規模以上の倒産に増加傾向がみられる。
緊急事態宣言の再発令やGoTo トラベル事業の停止期間延長など、21年もコロナ禍の出口が見えない状況にある。TSRは「支援金や緊急融資制度で支えられてきた事業者が息切れする可能性も危惧される」として、弾力的な支援の必要性を指摘した。
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