県民限定宿泊プランの出足好調 阿智村1週間で予約5000人、飛騨市は安心・安全訴求
2020.06.15 00:00
新型コロナウイルスの流行で落ち込んだ地域の観光を底上げしようと、自治体が投入した県民限定の宿泊助成策が好調だ。緊急事態宣言の解除を受け、6月から県や市が相次ぎ投入。予約が想定を上回っている。政府のGoToキャンペーンが事務局の公募中止で遅れが予想されるなか、独自に誘客を強めている。
沖縄県は国の地方創生臨時交付金を活用し、5億円を投じて県内宿泊旅行の代金を1人最大1万5000円補助する。6月5日~7月30日の設定で、旅行会社約40社が参加。5~10万件の取り扱いを目指しており、「開始以来、かなりのスピードで利用されている」(観光政策課)という。
長野県阿智村の第3セクター、阿智昼神観光局は6~10月、1人1泊5000円のクーポン付き宿泊キャンペーンを展開する。旅行業登録を持つ同社が直接受け付ける形で5月20日に予約を開始したところ、1週間で定員5000人に到達。急遽、2500人の追加枠を設けた。
阿智村は県内の来訪者が1割未満と少ない。近年は星空の美しさで全国的に知名度が上昇。「県外客で宿が取れない状況も生じていたが、ここにきて県内需要が顕在化した」(松下仁事業推進部長)。7月以降は農産品を絡めた誘致策を全国に向けて展開する計画だ。
飛騨市は9月まで1人1泊3000円を割り引く。宿泊施設と旅行会社に補助金を拠出し、前年同期の約3分の1に当たる1万人の利用を目指す。キャンペーンでは市に滞在する安心感を打ち出した。感染防止対策を講じた施設を登録する制度を創設。「事業者側の意識づけができている」(観光課)と自信を示す。都道府県をまたぐ観光が認められる6月19日以降は全国に対象を広げていく。
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