『フィガロジャポン2019年8月号 新しい魅力発見 まだ見ぬ台湾。』
2019.08.12 19:17

特集タイトルを見て、超久しぶりに『フィガロジャポン』を買った。少し先を行く旅情報が売りのフィガロが、最近情報過多気味な台湾のどこにスポットを当てるのか、興味津々。
巻頭を飾るのは「台東」エリア。これはちょっとうれしい。周囲の台湾通ライター・カメラマンたちは、もう何年も前から「これからは台東に注目」と言っていたのだが、おお、ようやくこんなに大きく扱われて……(感無量)。
人口の3分の1が原住民(先住民族)という台東で楽しめるのは、原住民が大切に守ってきたアート、音楽、食、風習など原住民カルチャー、そして大自然だ。米どころの池上の田園風景、熱気球フェスティバルやトレッキングが人気の山岳地帯・鹿野、絶好のサーフスポットが連なる海岸線。レトロ風味、シノワズリ、中国茶といった台湾のイメージを覆してくれるダイナミックな魅力が誌面から伝わってくる。
続いて登場するのは台南。日本でもすでに人気が高い台南の情報は、カフェや夜遊びデータも充実で、観光地としてだんだんメジャーになってきたのだなあと思わされた(玉井のマンゴー!おいしいよね!)。
綴じ込み付録は「いま、台北でしたい12のこと」。最近増えている古い建物をリノベーションした店舗やセレクトショップ、クリエーターの手仕事などを紹介。どの店もおしゃれで写真もきれい、眺めているとなんとなく東京を思い出す。ルーツが日本統治時代にある建物やカルチャーも多い、というのもあるのだろうが、台北のおしゃれショップがよく参考にしているのが最近の日本、特に東京というのが大きいのだろう。台北を歩いていても東京や大阪とさほど変わらない感覚だし、このまま観光地として成熟していったらどうなるのかな、と興味は尽きない。

山田静●女子旅を元気にしたいと1999年に結成した「ひとり旅活性化委員会」主宰。旅の編集者・ライターとして、『決定版女ひとり旅読本』『女子バンコク』(双葉社)など企画編集多数。最新刊に『旅の賢人たちがつくった 女子ひとり海外旅行最強ナビ』(辰巳出版)。京都の小さな旅館「京町家 楽遊 堀川五条」「京町家 楽遊 仏光寺東町」の運営も担当。
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