ライドシェア、4月に部分解禁 全面導入は6月にも判断 既存制度の規制緩和も
2024.01.15 00:00
政府は4月から、タクシー事業者が運送主体となり、地域の自家用車と一般ドライバーを活用してアプリで配車とタクシー運賃収受を行う新たな運送サービス制度を創設する。ライドシェアについて議論しているデジタル行財政改革会議が昨年12月20日の第3回会合で中間とりまとめとして示した。一般ドライバーが自家用車で有料で客を運べるようにし、地域・時期・時間を限定して適用する考え。タクシー不足が指摘される観光地や都市部、深夜の時間帯などが対象となりそうだ。
中間とりまとめでは、タクシー事業者以外にもライドシェア事業参入を可能にする「ライドシェア解禁」についても言及。必要となる法律制度の創設や改正については今後議論を重ね、6月をめどに判断を示す予定だ。
ライドシェアは欧州連合(EU)諸国では禁止が主流で、解禁している国でも許可制や厳しい条件が課されている。日本でイメージとして持たれているプラットフォーマー主体のライドシェアを解禁しているのは北米・中南米が中心で、世界的には少数派。日本では違法の白タク行為に当たる。しかし、訪日客を主な対象として白タク行為が増えているとされ、海外OTA(オンライン旅行会社)の関与も疑われるなど、問題点が指摘されている。なし崩し的な解禁には反対の声も少なくない。
一方、これらに先立ち、現行制度の見直しも行う。過疎地域などで自治体やNPOなど非営利団体に限定して認めてきた自家用有償旅客運送制度を改善する。23年度中に、地域公共交通会議等での地方自治体の長の裁量範囲を拡大。運送の実施主体は民間が参画できるよう規制を緩和する方針だ。対価の目安はタクシー運賃の2分の1から約8割へ引き上げる。
【あわせて読みたい】ライドシェア解禁へ 業界の反発強く突破口探る 2023年11月13日号>ライドシェア解禁へ 業界の反発強く突破口探る
カテゴリ#観光政策#新着記事
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