ANA X、航空予約データ使い新事業 移動シーンに応じて広告配信 企業・自治体に照準
2023.11.20 00:00

ANA X はANAマイレージクラブ会員の航空予約データを活用し、移動シーンに応じて企業や自治体がデジタル広告を打てるサービスを始めた。過去の行動データに基づいて配信する広告に比べ、確実性が高く、行動に沿ったタイミングで情報発信ができることに商機を見いだした。航空予約情報を広告配信に役立てるサービスは少なくとも国内では例がないという。非航空事業で25年度に売上高約4000億円を目指すANAグループの戦略の一環。
新サービス「ANA Moment Ads」では、旅行日時や行き先など予約情報のほか、性別、年代、家族構成など会員ステータスを個人が特定されない範囲で使用する。広告主は旅行前や旅行中など希望する移動セグメントで情報を発信できる。インターネット広告で実績のあるサイバーエージェントと提携し、広告掲出先を管理する独自のシステムを開発した。
配信先は会員向けアプリなどオウンドメディアから始め、順次、SNSや検索サイトに広げる。日本在住の国内線利用者が当面の配信対象で、日本発国際線も視野に入れている。
デジタル広告は消費者にとって不要な情報も多く、広告主側は低関心層も含めて配信せざるを得ないなど費用対効果に課題がある。確実性の高い移動データの活用が双方に有益と見込んだ。
24年度中に100社以上の受注を目指す。例えば衣料メーカーや各地の宿泊事業者、観光施設、土産購入を想定する地域の製菓メーカーなど、幅広い業種を想定。風化したサンゴでコーヒーを焙煎する沖縄の企業がすでに利用を始めたほか、ホテルチェーンから引き合いがあるという。ANA X では、将来的にマイルも宿泊も広告も案内できる体制にしたい考えだ。
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
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