「宇宙」で地域おこしの動き拡大 一大市場狙い 大手旅行会社は支援ビジネス

2023.09.25 00:00

大分県は宇宙食となる可能性を秘めた土産を開発するプロジェクトでPR動画を公開

 宇宙をキーワードにした町おこしや地域振興が自治体の熱い注目を集めている。宇宙関連産業への期待の高まりは世界的なうねりとされ、政府が6月に改定した宇宙基本計画では、日本の宇宙機器とソリューションの市場規模を20年の4兆円から30年代早期に8兆円に倍増させる目標を掲げる。

 日本一のおんせん県をうたってきた大分県は、新たに「宇宙ノオンセン県」のプロモーションに力を入れている。大分空港の宇宙港化の取り組みをきっかけに、宇宙と絡めて県の魅力をアピールする施策だ。9月からは、温泉卵やおおいた和牛など地元の食材を使い、宇宙食となる可能性を秘めた土産を開発するプロジェクトを始めた。

 北海道大樹町は、21年に本格始働したアジア初の商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を活用した町づくりを進める。観光分野で力を入れるのは、民間宇宙ビジネスが学べる教育旅行や企業視察。大樹町を宇宙観光の拠点にしようと、パートナーシップ協定を締結している日本旅行がこのほどエンジニアリング会社などと連携し、観光商品の企画開発や旅行者の受け入れ環境整備などを行う体制を整えた。

 都内では、三井不動産が日本橋を宇宙ビジネスの交流拠点にしようともくろむ。会員制の会議室、コワーキングスペースなどをX-NIHONBASHIとして整備。宇宙ビジネスに携わるプレーヤーが集う場を提供し、イノベーションの創出と地域振興を目指す。

 支援事業にビジネスの芽を見いだしたのが大手旅行会社だ。日本旅行は宇宙事業専門の部署を置いて推進。JTBは三菱UFJグループと組み、スペースポートや宇宙産業拠点への視察、コンサルティング、ファイナンスなどを総合的に行うサービスを始めた。

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