観光庁、GoTo不正受給5社の処分解除 全国旅行支援の参加可能に
2023.05.01 00:00
観光庁は、GoToトラベル事業を巡り不適切な給付申請があったとして参加停止処分を下していた5社に対し、処分を解除した。各社の調査が進み再発防止策が講じられたこと、不正に受け取っていた全額が返還されたことが理由。これに伴い、GoToトラベルの後継事業として現在展開されている全国旅行支援への参加を認めた。実際に参加するかは実施主体である自治体の判断に委ねられるが、すでに一部は4月から販売を開始した。
GoToトラベル事業を巡る不正は、法人顧客に研修付き宿泊プランを販売し、宿泊の実態がないにもかかわらず給付金を受け取ろうとしたもの。エイチ・アイ・エス(HIS)子会社のミキ・ツーリストとジャパンホリデートラベルで発覚した後、旅工房、トラベル・スタンダード・ジャパンでも明らかとなった。いずれもホテル運営会社であるJHATが仲介する点で共通し、巧妙なスキームが組まれていた。
観光庁は各社自身の調査と並行してGoToトラベル事務局が独自に調査を行い、給付金の返還を請求。刑事告訴も視野に全容の解明に当たるとして取り組んでいた。
観光庁の和田浩一長官は処分解除について、民事と刑事は別としたうえで、「民事の観点では、内部調査が進み返金もあったことなどから、1つの区切りとして判断した」と説明する。一方、刑事の面では、「告訴には至っておらず、今後どうなるかは現段階で確定的なことは言えない」とするにとどめた。
処分の解除を受けて、旅工房は4月19日から全国旅行支援に参加し、まずは東京都の国内企業団体旅行を対象に取り扱いを開始した。今後、サービスの対象エリアを順次拡大していく予定だという。
【あわせて読みたい】旅工房、GoTo不正関与で高山社長辞任 債務超過リスクで経営に焦り GoTo不適切事案に共通スキーム 旅工房もJHAT仲介で大量不泊 参加停止4社に GoTo不正受給、ミキツーとJHATが組織的計画 HIS澤田会長「本体は一切関与なし」 不正受給問題を考える 旅行業界の信頼回復に向けて
カテゴリ#観光・旅行業経営#新着記事
キーワード#Goto#新着記事
週刊トラベルジャーナル最新号
アクセスランキング
Ranking
-
城崎温泉街をWHILLで移動 高齢化に対応 でこぼこ道も観光しやすく
-
COP初、観光業の気候対策宣言で歴史的節目 課題は行動 日本の出遅れ感指摘する声も
-
JTBの中間期、増収減益 非旅行事業の減少響く
-
交通空白地解消へ官民連携基盤 自治体・交通事業者と支援企業をマッチング
-
廃校へ行こう! 地域の思いが詰まった空間へ
-
新千歳も外国人入国者プラスに 主要空港の8月実績 韓国けん引
-
リゾートトラストと三菱商事、医療観光で合弁事業を検討
-
沖縄県の宿泊税、都道府県で初の定率制に 26年度から2%で導入へ
-
AI浸透で観光産業に3つの変革 企業関係管理でパーソナル化 流通は直取引に
-
福島・浪江で町の未来考える謎解き企画 異彩作家と連携