GoTo不適切事案に共通スキーム 旅工房もJHAT仲介で大量不泊 参加停止4社に
2022.03.14 00:00
観光庁はGoToトラベル事業をめぐり不適切な給付申請があったとして、旅工房の参加を停止した。JHAT、ミキ・ツーリスト、ジャパンホリデートラベルに続く4社目。いずれも法人顧客に研修付き宿泊プランを販売し、宿泊の実態がなかった点で共通しており、JHATの平林朗代表取締役社長が仲介していた。観光庁は、トラベル・スタンダード・ジャパンも同様の疑いが明らかであることから相関関係を見つつ、刑事告訴も視野に全体像の解明を急ぐ。
旅工房の第三者委員会がまとめた調査報告書によると、20年11月、取引先企業を通じて計2万240泊分の研修付き宿泊商品を販売したが、1万1078泊分が不泊だった。料金の1人1泊4万円も実際より著しく高額だった可能性が高い。観光庁の調査では、旅工房が発行を受けた地域共通クーポンは法人顧客や宿泊者には渡されず、東横インなど手配したホテル7軒でリネン代などの名目で使用されていた。
宿泊実態のない旅行を含む給付金申請額は2億8336万円。申請を疑問視したGoTo事務局が給付しなかったが、発行済みクーポン計1億2145万円のうち使用した9363万9000円分は旅工房に返還を要求する。
旅工房の報告書は、不泊が給付対象外であることを十分に理解していなかった可能性が高いこと、社外取締役だった平林氏から給付対象となるという情報を得ていた事情に言及。「不当な利得を得ようという目的のために利用された可能性はあっても、積極的に関与した事実はない」とした。また、不泊ながら給付を受けたケースは他社でも多数存在するとの推測も示した。
しかし観光庁は、「不泊は一貫して対象外としてきた。知らなかったでは済まされない」と断じた。
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