HIS、海外旅行喚起へ一大イベント 定員超える集客に手応え 上期に19年6割回復目標

2023.02.20 00:00

大感謝祭では16のテーマで専門家による説明会を開催。各回とも定員を大幅に上回る600席が埋まった

 エイチ・アイ・エス(HIS)が海外旅行のムードづくりと潜在需要の喚起に力を注いでいる。商品を19年に近い水準まで取りそろえ、2月11~12日には都内で「海外旅行大感謝祭」を開催した。楽しみながら海外旅行の魅力を再発見することをコンセプトとした同イベントには、全16のセッションに定員を上回る一般消費者が各回約600人が集まり、予想以上の反響に手応えを得て、第2弾も視野に入れる。

 政府観光局らがトークセッションを交えながら最新情報を発信する説明会に、旅行抽選会や世界の料理を味わえる楽しみを加えた初の試み。事前予約制で、告知開始とほぼ同時に各500席の枠が埋まり、急遽100席増やした。

 新型コロナ感染症の5類移行に関する政府発表とタイミングが一致したが、昨年11月から企画し準備を進めていた。飯田憲史執行役員個人旅行営業本部長は、「海外旅行のリーディングカンパニーとして消費者の背中を押し、マーケットをつくっていきたい」と語る。市場の戻りの遅さは、感染した場合の不安や日本人特有の同調圧力など心理面が要因とみて、「海外旅行を検討する人がこれだけいて、日常化しているというメッセージになれば」(同)。

 商品面も工夫した。来場者限定ツアーでハワイ5・6日間が燃油費含め14.9万~30.4万円などと価格訴求力を持たせた。一般の商品設定でも、3食付きやローコストキャリア利用を増やし、出費を抑えられるようにしている。

 12月の海外旅行取扱額は主要旅行業者中でトップの約98億円となり、19年の3割近くまで戻した。23年は上期(4~9月)で6割回復を目指す。シニアが動いた昨年に対し、足元では女性同士や学生など元来の主力市場が動き始め、明るい材料と見ている。

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