HIS元専務の行方氏、「サスタビ」始動 地域に配慮した旅を提案 コミュニティー創出へ
2023.02.13 00:00

旅を通じて持続可能な社会をつくる――。そんなコンセプトを掲げた事業が動き出している。手掛けるのは、エイチ・アイ・エス(HIS)元専務でピーストラベルプロジェクト代表取締役社長の行方一正氏だ。サステナブルな旅の情報サイト「サスタビ」を立ち上げ、地球環境や地域社会に配慮した旅のあり方を提案する。考えに共鳴する人々が集い始め、地域から高い関心が寄せられている。
サイトではガイドラインとして20カ条を掲げ、行動のヒントを示す。公共の移動手段の活用、マイバッグやアメニティーの持参、人気の場所以外の新たな見どころの発見などだ。宿や飲食店、アクティビティーも掲載し、実際の体験を手助けする。
きっかけはコロナ禍だ。行方氏は「旅人、事業者、地域の間でミスマッチが起こっている」と指摘する。地域にとって旅行者は来てほしくない存在となり、その振る舞いや、送客する旅行事業者のあり方が問われている。再び旅行が再開するなか、啓蒙が必要と判断した。地域に根差し、地域のために頑張っている小規模事業者を応援する目的もあり、「ミスマッチを解決しながら、サステナブルな旅の新しいマーケットを創造していきたい」という。
掲載コンテンツは現在200ほど。エリアや目的から検索できる。事業者は自ら情報を登録できるが、文化・自然保全や地産地消、地元支援などチェック項目をサイト側が確認したうえで掲載に至る。ユーザーも施設を紹介できる仕組みとした。
いまは先行投資の段階だが、旅行者と地域のマッチングに事業性を見いだしている。すでにDMOなどから、地域に配慮する人々に来てもらいたいと引き合いがあるという。
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