23年はミニマムや不便益がキーワード ブッキング・ドットコム旅行予測 日本人はコスパも重視

2022.11.21 00:00

 23年の旅は普段の生活と大きく異なる環境や経験を求めるようになる――。ブッキング・ドットコムの旅行トレンド予測でこんな傾向が浮かび上がった。日本を含む世界32カ国・地域の旅行者2万4000人を対象に実施した調査を基に予測した。コロナ禍からの反動が心理に表れ、新たな旅の目的を見つけ出していると分析する。

 6つのトレンドを挙げた。そのうちの1つは、自然の中でのシンプルでミニマムな「オフ・ザ・グリッド」旅。旅行者の55%が電気やガス、水道など公共事業に依存しないこのスタイルを挙げた。水の調達などサバイバルスキルを学ぶ機会として旅を活用したいという新たな目的もうかがえた。また44%が必要最低限のものだけで生活するような旅や基本に立ち返ることができる旅を望んでいる。

 自由を阻むさまざまな制限から開放され、人々はこれまでにない経験を求めている。50%がカルチャーショックを経験したいと回答。快適な環境を抜け出し、自分の限界を試すような旅に出かけたいとの回答は73%を占めた。

 消費の面では、リベンジ需要が期待されるなか、旅にお金を使うことはいとわないとしながらも、高いコストパフォーマンスを求める人が68 % を占める。「セールやお得情報を利用する」は63%で、回答を日本人に絞ると67%に上り、意識の高さがうかがえる。一方、いつもよりぜいたくにお金を使うは49%、日本人は38%だった。

 コロナ禍で定着したバーチャル旅は、旅行先を選ぶ際のツールとして定着しそうだ。43%がインスピレーションとして仮想現実(VR)を検討すると回答。調査では、ユーザーとのコミュニケーションに触覚を取り入れた没入型体験が増えると予測している。