金融街で地域限定旅行業 カブカヤトラベル、教育旅行を軸に再開発エリアに誘客

2022.09.26 00:00

兜町の新たなランドマーク、カブトワンに立つ菅野代表。ビルに備わるホールなどを活用したい考え

 東京都の金融街として知られる兜町・茅場町を商圏とする地域限定旅行業者が誕生した。社名に地名の頭文字を当てた「KABUKAYA TRAVEL(カブカヤトラベル)」だ。地方や都内でも23区以外で営まれることの多い地域限定旅行業を都心で行うのは非常にまれ。菅野敬大代表取締役は、高校で4月から導入された金融教育や再開発で進化するエリアに商機を見いだした。

 手始めに学生や教師を対象に教育旅行を展開する。「金融教育がスタートした一方で、教える側の知識が欠如しているといった課題がある」(同)。東京証券取引所の視察や資産運用を体験できるゲームなどをプログラムに盛り込み、講義と体験を組み合わせる。学校への直接販売のほか、旅行会社との事業者間取引を想定している。

 菅野代表はエイチ・アイ・エス(HIS)に勤め、その後従事した金融を学ぶコミュニティー事業を通じて金融業界や兜町・茅場町界隈との関係を構築した。これらの知見と基盤を生かす。

 教育旅行は金融業界側にとってもメリットがあるという。「ESG経営やSDGsが叫ばれるなか、投資を考えるうえで若い人のインサイトが求められている」とし、橋渡し役を担う。

 兜町には昨年、飲食店やオフィスフロア、ホールを備えた複合施設「KABUTO ONE(カブトワン)」が開業。高層木造建築が目を引く「KITOKI」には今年、和歌山県の老舗酒蔵が醸造所を開業するなど若者が訪れたい町へと発展している。着地型の観光プログラムも手掛けていく考えだ。

 ITを取り入れたサービスも構想する。訪日客の誘致を視野に、旅先や旅の目的に合わせて服をレンタルできる仕組みを取り入れ、より手軽で楽しめる旅を提供していく。

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