サステナブルな旅への意識向上 ブッキング・ドットコム年次調査 世界とは乖離

2022.06.20 00:00

 ブッキング・ドットコムが世界32カ国・地域で行ったサステナブルトラベルに関する年次調査で、日本の旅行者の73%がサステナブルな旅は自身にとって重要であると回答した。約半数の46%が今後の旅行ではよりサステナブルな旅を心がけたいとしており、前年を4ポイント上回った。

 調査は計3万314人が回答し、日本は1003人。39%はサステナブルな宿泊施設を特に探していなくても、そういう施設があれば選ぶ可能性が比較的高いと答えたことから、日本での意識の高まりがうかがえるとしている。

 一方で世界全体と比較すると、まだまだ意識と認知度の低さが目立つ。旅での心がけは世界と25ポイントも乖離があった。宿泊施設と交通手段を選択する際に、サービス提供会社のサステナブルな取り組みが大きな影響を与えると回答した旅行者は世界の35%に対し、日本は13%にとどまった。

 それでも、サステナブルな滞在への意識と認知度は広がりを見せている。28%が宿泊施設の取り組みに関する情報を予約前に積極的に活用し、25%が過去1年間にサステナブルに取り組む宿泊施設に滞在したとしている。理由は「環境負荷低減への貢献」(31%)が最多で、「より地域に密着した体験を楽しむため」(26%)、「コミュニティーへの配慮が優れている」(24%)と続いた。

 しかし、そうした宿泊施設の存在を知らなかった、見つける方法がわからなかったという回答が世界的にも多い。ブッキング・ドットコムは21年11月から、サステナブルな取り組みをしている宿泊施設に独自の認証として、「サステナブル・トラベル・バッジ」を付与する制度を設け、施設の案内ページに表示したり、サイトで検索できるようサービスを強化した。

【あわせて読みたい】環境配慮型の旅、意識高まる 行動はいま一歩、情報発信が課題 SDGsへの行動、旅行中は低下顕著 JTB総研調べ おもてなしの見直し不可欠

関連キーワード